2006年 F1 TV観戦記 第13戦 ハンガリーGP |
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第13戦のハンガリーGPの決勝です。 ポールは2戦連続のライコネンに、2位マッサ、3位バリチェロと珍しい顔合わせです。 11位ミハエル、15位アロンソはペナルティーで共に後方に沈みました。 決勝の見所はライコネンの今期初優勝か、マッサの初勝利か、また、ミハエルとアロンソが後方からどんなレースを展開するかという点でしょう。 復調の兆しを見せるホンダと、新車2戦目のスーパーアグリの決勝レースにも期待したいところです。 決勝は今季初、かつ、このハンガロリンク初のウェットレースです。 現在、雨は降っていませんが、路面はかなり濡れています。 ほとんどのマシーンがウェットタイヤで、エクストリーム(フル)ウェットタイヤも数台見られるようです。 フォーメーションラップで、デラロサがスピンしていますが、大事には至らず、隊列に戻りました。 いよいよ、第13戦のスタートです。 デラロサが良いスタートで、後方もかなり順位が入れ替わっています。 琢磨がコーナーで膨らんで、ミハエルはかなり上位に上がりました。 あちこちでオーバーテイクが見られ、順位がめまぐるしく変わります。 左近は既に止まってしまいました。 デビュー以来2戦連続で、決勝は1ラップも走れませんでした。 アロンソもすごい勢いで順位を上げています。 オープニングラップはライコネンがトップ、バリチェロ、デラロサ、ミハエル、フィジケラ、アロンソ、マッサ、クビカ、クルサード、ハイドフェルドのトップテンにバトン、ラルフ、リウッツィ、トゥルーリ、スピード、琢磨、ウェーバー、モンテイロ、ロズベルグ、クリエン、アルバースと続きます。 既にスターティンググリッドとは似ても似つかない順位になってしまいました。 ここでクビカがスピン、デビュー戦でいきなりウェットレースですから大変そうですね。 レースには復帰できたようです。 すぐにアロンソがフィジケラをかわして5位に浮上、ミハエルとの直接対決になります。 2周目、ウェーバーがトラブルか、クルマを降りています。 アロンソ、ミハエルに迫ります。 雨のブリジストンという栄光が過去のものにも感じるようなミシュラン勢のタイムの良さです。 3周目、早くもアロンソがミハエルを抜いて4位に上がります。 まったく速さが違い、どうにもならなかったという感じです。 4周目、リウッツィがスピン、ちょっと無理すると簡単に滑ってしまう様な路面状態のようです。 なんとかコースには戻れたようです。 ここで雨が降り始めました。 5周目、バリチェロがピットイン、フルウェットからウェットタイヤに変えます。 ちょうど雨が降り出した時で、ちょっとタイミングが悪かったかもしれません。 6周目、トップはライコネン、デラロサ、アロンソ、ミハエル、バトン、フィジケラ、マッサ、クルサード、ハイドフェルド、バリチェロのトップテンです。 ミハエルのペースが上がらず、バトンが真後ろに迫っています。 すぐにバトン、ストレートエンドで間単にミハエルをかわして4位に上がりました。 この濡れた状態では完全にミシュラン勢が有利のようで、ブリジストン勢はまったくついていけません。 次はミハエルの後にはフィジケラが迫ります。 7周目、クリエンがコースアウトしてウォールにぶつかって リタイアです。 ここでマッサもスピンしています。 14周目、ミハエルは、まだかろうじてフィジケラを抑えています。 サイドバイサイドでの、きわどいバトルが続いています。 かなり雨がひどくなってきたようで、マクラーレンがフルウェットを用意しています。 デラロサがピットインしましたが、タイヤを急遽変更、同じタイヤを交換し給油して出て行きました。 タイヤ変更で手間取り、11.8秒もかかってしまいました。 デラロサが出てきた目の前で、フィジケラがミハエルをかわしますが、ミハエルも抜き返そうとします。 ちょっとミハエルがアウトにスライドした為、フィジケラのリアにノーズをぶつけてウイング破損。 痛いミスで、ミハエルはピットに向かいます。 残り53周、ライコネンがピットイン、11.0秒でピットアウトします。 バトンも続いて入り、ミハエルも ようやくピットまでたどり着きました。 ノーズとタイヤを交換し、給油まで行って12.6秒という早いタイムでピットアウト。 残り48周でアロンソ(0)がトップ、ライコネン(1)、デラロサ(1)、バトン(1)、バリチェロ(1)、クルサード(0)、ハイドフェルド(0)、ミハエル(1)、ラルフ(0)、スピード(0)のトップテンにマッサ(1)、リウッツィ(0)、トゥルーリ(0)、クビカ(1)、琢磨(0)、アルバース(1)、モンテイロ(1)と続きます。 ((1)内の数字はピットストップ回数です) ミハエルの後に弟ラルフが迫ります。 が、ラルフがピットイン、そしてトップのアロンソがミハエルに真後ろにつきました。 ラルフは9.1秒でピットアウト、そしてアロンソがミハエルを周回遅れにしていきます。 少し路面が乾き始めたようで、アロンソは濡れた路面を選んで走っています。 残り45周、トゥルーリがピットイン、7.0秒で出て行きました。 残り44周、ライコネンが周回遅れのリウッツィに追突、リウッツィのマシンに乗り上げてしまいました。 ライコネンと譲ろうとして速度を落としていたリウッツィに速度の差がありすぎて、避け切れなかったようです。 デラロサが真後ろに迫っていたので、ライコネンは、ちょっと焦っていたのかも知れません。 ここで、セーフティーカーが入ります。 デラロサが2回目のピットイン、11.0秒でピットアウト。 リウッツィは、なんとかピットまで帰ってきましたが、リアセクションが壊れているのでリタイヤでしょう。 アロンソ、琢磨、クルサードと続々ピットインします。 リウッツィのマシンをガレージに入れて、スピードがピットインします。 残り40周でセーフティーカーがいなくなり、レース再開です。 かなり乾いた路面も見えてきているようです。 ここで、フェラーリとトヨタが接触、ダメージはなさそうでコースに復帰しました。 ここで何とミハエルがスピン、大事には至らずコースに戻りました。 残り38周、トップのアロンソ(1)、バトン(1)、デラロサ(2)、バリチェロ(2)、ハイドフェルド(5)、クルサード(1)、ミハエル(1)、マッサ(1)、ラルフ(1)クビカ(1)のトップテンにトゥルーリ(1)、スピード(1)、琢磨(1)、アルバース(1)、モンテイロ(2)の15台が残っています。 路面が乾いてきているので、濡れた部分を走ってタイヤを冷やすクルマが多くなっています。 残り34周、バトンがファーステストラップでアロンソとの差を5..4秒まで縮めてきました。 クビカがマッサを抜いて8位、入賞圏内に入りました。 路面が乾き始めて、ミハエルのラップタイムが上がってきました。 ようやくブリジストン向きの路面状況になってきたようです。 残り27周、トップのアロンソに、バトン、デラロサ、バリチェロ、ハイドフェルド、ミハエル、クルサード、クビカ、ラルフ、トゥルーリのトップテンにマッサ、スピード、アルバース、モンテイロ、琢磨と続きます。 ここで、ミハエルがハイドフェルドを簡単にかわして5番手に上がります。 残り26周、スピードが一旦ドライタイヤに変えましたが、再びウェットタイヤに戻しました。 ちょっとドライタイヤには早すぎたようです。 バトンがアロンソの後0.7秒に迫っています。 今回のレースは、ドライ寄りのセッティングとウェット寄りのセッティングのクルマの順位が、路面状況によって入れ替わる忙しいレースになっています。 ここでミハエルが1分28.5秒のファーステストラップ、すごい勢いで追い上げてきています。 残り25周、クビカがピットイン、8.8秒でピットアウト。 残り24周、バトンがピットイン、タイヤを換えず、フロントウイング調整と給油して5.5秒でピットアウト。 ミハエルの続いて入り、こちらもフロントウイング調整と給油のみで7.9秒で出て行きます。 ここでのトップ8はアロンソ、バトン、デラロサ、バリチェロ、ハイドフェルド、ミハエル、クルサード、ラルフです。 ストレートラインはかなり乾いて、濡れてる部分を走ることも難しくなってきています。 残り19周、アロンソがピットイン、ドライタイヤに変えて、給油もして6.4秒でピットアウト。 ここで、バトンが先頭に立ちます。 バトンのウェットタイヤ対アロンソのドライタイヤ、どちらの選択が正解か、興味が沸くところです。 続いてデラロサもピットイン、こちらもドライタイヤに変えて、給油して7.9秒で出て行きます。 ここでアロンソにトラブル、今期初リタイヤです。 原因はホイールかドライブシャフトか良く分かりませんが、右リヤタイヤがぐらついてコースアウト、そのままリタイヤとなりました。 これでバトンはかなり楽になりました。 残り18周でバトンがトップ、ハイドフェルド、ミハエル、デラロサ、バリチェロ、クルサード、クビカ、と続きます。 何とミハエルが3位、このままでもチャンピオンシップポイントでアロンソに大きく近づけますが、更にハイドフェルドまで2.9秒に迫ってきています。 残り16周、バトンがピットインして、ドライタイヤに変え、6.1秒でピットアウト。 トップにまま、コースに戻りました。 琢磨もピットインして、ウイング調整してドライタイヤに変えます。 8.1秒でピットアウト、さすがにトップチームほどピットワークの早さはありません。 残り15周、ハイドフェルドもピットイン、ドライタイヤに変えてピットアウト、4位でコースに復帰です。 残るミハエルは、どのタイミングでタイヤを換えるでしょうか。 残り10周、既にバトンのトップは磐石、ウェットタイヤのままのミハエルにデラロサが急速に迫ります。 ここで、マッサがドライタイヤに交換、フェラーリには珍しく大きな作戦ミスです。 ミハエルのタイヤが最後まで持つのか、ピットインするのか、ここでピットに入っても5位くらいは確保できそうなのですが、アロンソがいない現状で無理をする理由がまったく理解できません。 残り8周、デラロサがミハエルの真後ろに迫ります。 しかし、ストレートではウェットタイヤもミハエルは負けていません。 コーナーでは無理やり押さえ込んでいる状態です。 残り4周、デラロサが、シケインでミハエルをオーバーテイク、2位に上がります。 更にオハエルの後にはハイドフェルドが迫ります。 ストレートの立ち上がりでハイドフェルドがミハエルに並びかけますが、ミハエルのマシンはストレートが良く伸びて、抜かせません。 ハイドフェルドの後からはバリチェロも近づいてきています。 残り3周、トゥルーリが白煙を上げて止まっています。 エンジンブローで派手に白煙を上げてそのまま止まったようです。 ミハエル、ハイドフェルドに抜かれた後にスローダウン、ゆっくりピットに向かっています。 フロントのサスペンションが壊れたようです。 (注、8/8 ハイドフェルドとの接触でミハエルはサスペンションにダメージを負ったとのこと) タイヤの状態をだけを見る限りでは、溝はかなり減っていますが、残り3周分は持った感じはします。 このまま走って、バリチェロに抜かれていても5位は確保できただけに残念です。 ひょっとすると、残り10周くらいの時点(マッサが交換した時期)ではタイヤを換えても5位だったので、ギャンブルしたのかもしれません。 上手く抑えられれば、3位を確保できたし、最悪抜かれても同じ順位ですからやってみる価値はあったわけです。 ホンダのバトンがトップのままファイナルラップに入ります。 そのままゴールでバトンが初優勝、2位がデラロサ、3位がハイドフェルドと、非常にフレッシュな珍しい表彰台となりました。 バリチェロは惜しくも4位で表彰台ならず、ミハエルは完走扱いの9位。 バトンは113戦目で初優勝、ホンダ第3期としても初優勝で、コンストラクターとしては1967年以来の、エンジンとしても1992年以来の優勝です。 表彰台に 君が代 が流れ、かなり感激。 バトンも満面の笑みで嬉しそうです。 今期は苦しいレースが多かっただけに喜びもひとしおでしょう。 心からおめでとうですね。 決勝7位のクビカが車両重量の規定違反で失格、ミハエルが8位に繰り上がり、シリーズポイントはアロンソとミハエルの差が10ポイントと微妙に縮まりました。 残り5戦で10ポイントですから、マスダンパーなしだとアロンソ不利、マスダンパーがあるとミハエル不利という感じで、マスダンパーに関するFIAの裁定がチャンピオンシップを左右しそうです。 しかし、こんなに裁定がコロコロ変わるとチームも大変ですね。 ホンダはこの勢いに乗って、このまま鈴鹿でも良い結果を期待したいところです。 トヨタはどちらか1台にトラブルが出るレースが多く、さらに今回はブリジストンのウェットタイヤに翻弄された感じでした。 スーパーアグリは、なんとか1台完走しましたが、後半のスピードダウンが気になるところではありました。 結果 ポールポジション キミ・ライコネン 優勝 ジェンソン・バトン 2位 ペドロ・デ・ラ・ロサ 3位 ニック・ハイドフェルド ファーステストラップ フェリペ・マッサ ページトップへ 第13戦レース結果 第14戦へ 第12戦へ |
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