2006年 F1 TV観戦記 レース総観 |
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2006年レース全体を振り返ってみましょう。 第1戦バーレーン アロンソが接戦でミハエルを制して優勝。 予選でミハエルがポールを取るものの、予選中の1周タイムが遅かった為、燃料追加も1周分減。 このミスのおかげで、ミハエルはピットタイミングでアロンソを逆転できませんでした。 この結果が、今年の結果を象徴していたとは、このときは考えもしなかったものです。 予選でクラシュのライコネンは最後尾から3位入賞と、速さは見せてくれましたがマシンの信頼性の無さは相変わらずでした。 ホンダのバトンは4位、スーパーアグリは準備期間4ヶ月の初参戦ながら、琢磨の完走は一安心で、ホンダの技術が入るはずの新車が待ち遠しいところでした。 第2戦マレーシア ここでルノーのフィジケラが優勝、アロンソ2位でルノーのワンツーでした。 ミハエルは予選前のエンジン交換で決勝も6位に沈みました。 3位はバトンで去年の不振を払拭するような初表彰台でした。 ルノーは来期の参戦が疑問視されていた時期に結束力が強く、勢いに乗っていました。 反するフェラーリはフレキシブルウイング疑惑で浮き足立った感じもありました。 第3戦オーストラリア アロンソ優勝で今期2勝目、ルノーとしては3連勝でした。 対するミハエル、マッサは共にリタイア、ルノーに大きく差をつけられました。 2位ライコネンで3位はラルフ、トヨタは今季初表彰台で、まだ去年の勢いが残っていました。 バトンは5位で走行しつつも最終周でエンジンブロー、次戦でのエンジン交換のためにフィニッシュライン前で止まりました。 第4戦サンマリノ ミハエルが66回目のポールポジションで残されていたセナの記録を塗り替えました。 奇しくもセナの事故現場イモラサーキットでの記録達成です。 そのまま優勝で今期ようやく初勝利。 2位はアロンソで、さすがに安定感があります。 3位モントーヤは久しぶりの表彰台でした。 第5戦ヨーロッパ ミハエル連勝で3位で初表彰台のマッサとフェラーリの調子がようやく上がってきました。 2位アロンソは僚友フィジケラをかなり引き離したタイムで表彰台をキープしています。 この直前、スパーアグリの井出はスーパーライセンス剥奪でモンタニーが代走。 前レースのトラブルについては厳重注意で終わっていた判定が、フランス人のモンタニーがサードドライバーになった直後、なぜか井出のスーパーライセンス剥奪にまで発展。 FIAとは面白い位に、分かりやすい組織です。 第6戦スペイン アロンソが母国での初優勝、ミハエルはなんとか2位を死守、3位フィジケラで、このレースは天候で結果が決まったようです。 予選前のプラクティスではブリジストンを履くフェラーリが速いラップを刻んでいたにもかかわらず、決勝ではミシュランを履くルノーのペースにフェラーリがついていけませんでした。 この頃にはマクラーレンやホンダは表彰台すら難しいという、完全に2強の状態となっていました。 今年のマシンの基本設計したデザイナーが離脱したマクラーレンと、内部分裂が始まったホンダのマシン開発に遅れが生じていたようです。 第7戦モナコ アロンソはモナコ優勝です。 2位モントーヤ(F1最後の表彰台でした)、3位クルサードとモナコ優勝経験のあるドライバーが脇を固めました。 5位ミハエルは、疑惑の予選で最後尾スタート。 しかし、予選では下手にクルマをストップできないのですね。 壁にぶつけたら決勝前に修理できない可能性が高いにもかかわらずに、です。 結果で言えば、ミハエル6点足してアロンソから2点引いてもチャンピオンシップに変化はありませんが、不可解な裁定でした。 トヨタが新車投入もトラブルでリタイア、しかし予選でトゥルーリ6位と期待をもたせるタイムではありました。 第8戦イギリス アロンソが3連勝、2位はミハエル、3位ライコネンと事実上ドライバーのトップ3人が揃いました。(異論もあると思いますが私個人の意見ですからご容赦を。) この頃まではミシュランタイヤとブリジストンタイヤがレースごとに入れ替わる拮抗した状態でした。 また、この頃にはアウトラップが速いというタイヤの特性を生かして、ライバルよりピットに先に入って新しいタイヤで速いタイムを叩き出してライバルを抜く作戦も取られるようになりました。 第9戦カナダ アロンソが破竹の4連勝、しかも5連続のポールポジション。 ミシュランタイヤもブリジストンに先んじてグランプリ通算100勝達成。 2位ミハエル、3位ライコネンと前戦イギリスと同じ表彰台メンバーでした。 ホンダはチームのトップを入れ替え組織を大改革。 第10戦アメリカ ミハエル優勝、マッサが初の2位でフェラーリがワンツーフィニッシュ。 去年の反省かミシュラン勢は安全志向のタイヤのようで3位のフィジケラが精一杯でした。 アロンソは5位と振るわず。 しかし、フェラーリ以外のブリジストン勢はピットスタトのトゥルーリが4位完走以外はトラブル続きのロズベルグ以外は全てリタイヤ。 せっかくの上位フィニッシュのチャンスをフイにしてしまいました。 第11戦フランス ミハエル連勝、マッサはアロンソを抑えきれずに3位、アロンソは堅実に2位獲得。 ミハエルは予選2時間前に火災を起こしたにもかかわらずポールポジションでした。 アロンソは3ストップ作戦をレース中に2ストップに変更、確実にポイントを取るための上手いレースをしました。 ラルフが4位と、トヨタは良い時は上位に入ってきますが、マシントラブルが多いおかげで開発が進まないというジレンマに陥っていたようです。 ホンダは内部改革進行中で、レース自体は散々な結果でした。 第12戦ドイツ ミハエルは地元で優勝、2位マッサでフェラーリがワンツーフィニッシュ。 3位はライコネンで、直前にマスダンパーが禁止になったルノーのアロンソは5位、フィジケラは6位に沈みました。 スパーアグリがようやく新車を投入、予選ではミッドラントと遜色ないタイムで、ようやく追いついたという感じでしたが、モノコック自体は旧車のままという不完全な新車でもありました。 第13戦ハンガリー 雨の荒れたレースでホンダとバトンが共に初の優勝でした。 2位はデラロサ、3位ハイドフェルドと珍しい顔ぶれの表彰台です。 ミハエルはタイヤ交換しなかったため3位をフイにして8位フィニッシュ。 この時期のマイナス5点は大きすぎるミスでした。 アロンソはプラクティスの2つの危険行為で予選タイムに2秒加算、ミハエルもプラクティス中の赤旗無視でこちらも予選タイムに2秒加算。 (ミハエルの件はアロンソが意図的に誘発させたようですが、さすがにやり方もブリアトーレ仕込みでしょうか。このブリアトーレ仕込みのおかげで?ミハエルはF1経歴通じて故意にぶつけるというレッテルを貼られることになったのですが・・・アロンソが嫌味なほど強烈な成績を残したら言われるようになるかも知れませんね(ここも私個人の意見です。)) 第14戦トルコ マッサが初優勝、プラクティスで圧倒的なタイムを出したミハエルは3位に沈み、2位はアロンソが獲得。 セーフティーカー導入時のピットストップでマッサの後になったミハエルが割を食います。 しかも、コース上で珍しくミスをして、アロンソを逆転するチャンスを失ってしまいました。 ここでもミスでマイナス4点、ミハエルは最後の年に新人のようなミスを連発していましましたね。 追っているときはあまりミスはしないものですが、ハイテクが進んだ現代のF1では反応が早い若さが必要な状況なのかもしれません。 2008年以降のドライバーズエイドが廃止される状況だとドライバーの定年も上がるかもしれません。 第15戦イタリア ミハエル優勝、そして今年限りでの引退発表。 アロンソがリタイアでチャンピオンシップが2ポイント差まで接近。 2位ライコネン、3位にBMWザウバーのクビカが初の表彰台でした。 この時点で2点差とフェラーリ+ブリジストンの好調さを考えるとチャンピオンを確信するほどの状況でした。 第16戦中国 雨の予選でアロンソがポールポジション獲得も優勝はミハエル。 今年は去年までと打って変わって、雨ではブリジストンよりミシュランが良いタイムを出しています。 2位アロンソ、3位フィジケラで、ここでミハエルがチャンピオンシップのトップに立ちます。 4位バトン、6位バリチェロと、初優勝のハンガリーGP以降、表彰台に近い結果が続いているので次戦の日本グランプリに期待です。 第17戦日本 ミハエル、痛すぎるエンジンブローでアロンソ優勝。 ミハエルは予選でコースレコード(3Lエンジン時代の記録)を更新するも、6年ぶりの決勝でのエンジントラブルでリタイア、チャンピオンシップでも絶望的状況となってしまいました。 2位はマッサで、3位はフィジケラ、ホンダのバトンは4位で表彰台ならず。 第18戦ブラジル マッサが地元で今期2勝目。 アロンソ2位でチャンピオンシップ獲得。 3位はバトンが入り表彰台で今期を終えました。 琢磨も10位フィニッシュで、ベストラップも9位という好タイム。 更に16位フィニッシュの左近はベストラップ7位という驚きのタイムでした 4位フィニッシュのミハエルは、予選、決勝で不可解なトラブル発生+決勝でのタイヤバーストに見舞われるも、引退レースとは思えない素晴らしいドライビングで4位まで浮上。 ハッキネン時代を髣髴させるライコネンとのバトルを含めて、ミハエルのF1レースの中でも1、2を争う好レースを演じてくれました。 終わってみるとルノーの安定した速さと、フェラーリの絶対的な速さと意外なミスが目に付いた年でした。 この2チームが速すぎた為、続くマクラーレンやホンダが霞んでしまいました。 マクラーレンにいたっては今期未勝利。 そして、ホンダの意外な第3期初勝利はようやく達成で喜びもひとしおでした。 トヨタは、シーズン初期の内部のゴタゴタが尾を引いたようで、低迷してしまいました。 BMWは後半ホンダやマクラーレンに割って入るほどの成長が見られたのは驚きでした。 スーパーアグリも最終戦のタイムの良さとオフでのタイムの良さは目を見張るものがあります。 ミハエルは、最後の結果は残念ではありましたが、魅せるレースをしてくれて感動でした。 人間らしいミスが多かったのも、昔は若さと勢いで隠していた部分を見れたような気がして、ちょっと嬉しくさえ感じました。 F1の世界は、いまだ人種差別というか権威主義のような部分が強く残っているようです。 最近では無理にレギュレーションの解釈を変えて接近戦に持ち込もうとする傾向が強すぎるように感じます。 来年はミハエルがいなくなって、実力の拮抗した若いドライバー達が競い合うので、無理をしなくても接近戦になりそうです。 しかし、最近の若いドライバー達には強い個性を感じる事が少ないので、レース自体の面白さがどうなるのかという点においては興味が沸くところです。 表向きの個性に関わらず、レースでは熱いレースをしてくれるドライバーもいますから。 2006年結果 ドライバーズタイトル フェルナンド・アロンソ コンストラクターズタイトル ルノー ページトップへ 2006年 チーム総観へ 第18戦へ |
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