2007年 F1 TV観戦記 第10戦 ヨーロッパGP |
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いよいよヨーロッパ グランプリがはじまりました。 皇帝ミハエル不在となって、初めてのドイツでのグランプリです。 ポールはライコネン、2位アロンソ、3位マッサと、上位は相変わらずフェラーリとマクラーレンで分けました。 しかし、ハミルトンは予選中のクラッシュで10位、連続表彰台が途切れそうな予選結果となりました。 4位、5位はBMWで、チーム3位は変わらないようです。 ウェーバーが6位と最近予選が良いレッドブルが 決勝で結果を残せるでしょうか。 日本勢はトヨタが8位、9位と予選の好調さをキープしていますから、後は結果が欲しいところですね。 ホンダとスーパーアグリは14位から17位まで お団子状態です。 ポイント獲得には微妙な順位です。 今回はドライバーによって燃料等裁量に差が有りそうなので、決勝でのピット戦略が面白くなりそうです。 いよいよスタートですが、フォーメーションラップ前から若干雨が降り始めたようです。 しかし、そのままフォーメーションラップが終わり、スタートです。 フェラーリのスタートが良く、マッサがアロンソをパス。 ライコネンにも並びかけますが、ここはライコネンが抑えました。 ここで、BMWの2台が絡んでコースアウト、なんとかコースには戻りますが大きく遅れました。 一時4位まで上げたハミルトンが突然のスローダウンで後方に下がってしまいました。 クルサードもコースオフ、スタート直後の争いに雨も手伝って波乱模様のオープニングラップです。 後方でもロズベルグとトヨタの接触がありました。 そして雨が強くなります。 序盤から大波乱の幕開けで、ライコネン、ピットに入ろうとするもオーバーラン? それとも 雨の状況を確認する為に わざとコースに戻ったのか、よく分かりません。 しかし、雨の状況を考えると大きなミスかもしれません。 マッサとアロンソは順当にピットイン、後続も続々とピットに入ってきます。 後続の為にマッサとアロンソはタイヤ交換が終わっても、しばらく出られませんでした。 どちらも軽めのレインタイヤを履いてコースに復帰です。 ハミルトンはピットでウイング調整をしてピットアウトです。 今年のマクラーレンは、こういう細かい部分できちんと対処していますね。 先ほど接触があったハイドフェルドはノーズも交換しています。 めまぐるしいピット作業が続いています。 ライコネンは急に強くなった雨に足を取られ、かなりのスロー走行となっています。 ここでの順位はトップのライコネンに、ヴィンケルホック、琢磨、フィジケラ、ブルツ、トゥルーリ、クビサ、マッサのトップ8となっています。 皮肉なことに、雨が得意なライコネンやフィジケラなどがピットインを行っておらず、スロー走行を強いられてしまった状態です。 ここでフィジケラがオーバーラン、タイヤ交換したマシンに抜かれていきます。 なんと、ここでトップはヴィンケルホックとなりました。 ひょっとしたら、始めからウェットタイヤを履いていたのでしょうか、ライコネンを抜いています。 そしてようやくライコネンがピットに入りますが、既にすぐ後ろにタイヤ交換を済ませたマッサが迫っている状態でした。 ライコネン他ピットストップしなかったドライバーは、完全な判断ミスとなりました。 2周を終えて、画面でも雨のすごさが伝わってくる程、強い雨です。 これではレースが中断されるかもしれません。 マシンの後には大きなウォータスクリーンが見られ、非常に危険な状態です。 ライコネンもピットでフロントウイングを調整、軽めのレインタイヤでピットアウトです。 雨の時間が短いという情報があるのか、ペースカーを予想しているのか、ひどい雨にもかかわらず軽めのレインタイヤへの交換でした。 ここでバトンがコースアウトしています。 そこにスーティルも突っ込んできました。 幸い、ぶつからなかったものの、危険な状態です。 そしてハミルトンも同じ場所でコースアウト、そしてロズベルグまで滑ってきました。 同じ場所に4台がコースアウト、まともにレースを出来る状態ではありません。 今度は、スピードがコースアウト、デビッドソンはなんとかコース上に踏みとどまり、コースに復帰しようとしています。 ようやくペースカーが入りましたが、その真後ろを、今度は水で浮いてコントロールを失ったリウッツィが飛んでいきます。 他のマシンを撤去しようとしていた車両に軽く接触して止まりました。 このコーナーで6台がスピン、ハイドロプレーンでまともに走れる状態ではないようで、このコーナー上の水の流れがはっきり見えるほどひどい状態です。 ここでハミルトン、なんと、マシン撤去用の車両にコースまで運んでもらってコースに復帰しました。 エンジンが止まっていなかったようですが、こんなことして良いのでしょうか? ここでの順位はトップがヴィンケルホック、続いてマッサ、アロンソ、ウェーバー、クルサード、コバライネン、ライコネン、バリチェロのトップ8となってい ます。 リプレイで、バトンの前のマッサもかなり危ない状況でしたが、なんとかコースに踏みとどまって、その後をバトンが滑って行ったという状態だったようです。 そしてハミルトン、スーティルという順番で同じようなところにコースアウトしたようです。 マシン同士がぶつからなかったのが幸いでした。 そして赤旗です。 天候が回復、日差しも出る状態となり、ペースカー先導でローリングスタートによるレース再開です。 再開前に、トゥルーリはヘビーレインから軽いレインタイヤに履き替えました ハミルトンもピットイン、給油して、ドライタイヤに換えて勝負をかけます。 しかし、少々乾いても走れるブリジストンの軽めのレインタイヤに対し、ちょっとドライタイヤは早すぎる感じもします。 ここで天気の予報が表示され、以後30分間は雨の心配は無いようです。 ということは、その後は? 怖いですね。 そして残り53周でリスタート、ヴィンケルホックが先頭というのがちょっと微笑ましいですが、マッサやアロンソがすぐに迫ります。 最初のコーナーでマッサが先頭、アロンソが次のコーナーで2位に浮上です。 アロンソがマッサに迫りますが、レコードライン以外はかなり濡れているので、さすがに抜けません。 ドライタイヤでスローペースのハミルトンをマッサ、アロンソ他が続々と抜いていきます。 周回遅れとはいえ、これだけペースが遅いとタイヤ交換の時間よりもコース上でのロスが大きいようで、賭けが外れてしまいました。 ここでの順位は先頭のマッサ、以下アロンソ、クルサード、ウェーバー、コバライネン、ライコネン、ブルツ、ヴィンケルホック、バリチェロ、フィジケラの トップテンに、クビサ、ラルフ、琢磨、ハイドフェルド、トゥルーリ、デビッドソン、ハミルトンと続きます。 残り49周、ハミルトンのペースが上がったようなので、今度はレインタイヤからドライタイヤへのタイヤ交換が始まります。 まずライコネン、ここで給油して、ハードタイヤでピットアウトです。 好位置につけているブルツもピットインしていました。 ペースが上がった周回遅れのハミルトンが琢磨をかわしています。 完全にドライタイヤが有利な状態になりました。 残り48周でマッサとアロンソがピットイン、どちらもハードタイヤでコースに復帰です。 マッサは5.6秒、アロンソは7.7秒と燃料補給の時間がかなり違うところが気になります。 次回のピットインのタイミングに注目ですね。 ウェーバー、フィジケラもピットインしていました。 ここでクルサードがトップ、2位がハイドフェルドです。 ウェーバーとクビサが先に入ったために、共に1周余計に走るようです。 残り42周、コバライネンがブルツをパス、5位浮上です。 さすがに、ほとんどドライ状態だとマシンの差が出てしまうようです。 しかし、ブルツは雨で結構速かったんですね。 残り41周、ここでラルフと誰かが接触、ラルフはリタイアです。 ハイドフェルドが抜こうとした際、ラルフが気付かずにインを閉めすぎました。 ハイドフェルドのフロントとラルフのサイドがぶつかっているので、サイドバイサイドで抜けるべき位置でした。 これだけ強く当っていると、ハイドフェルドのフロント周りのダメージも気になります。 ここで琢磨もリタイア、こちらはマシントラブルのようです。 残り35周でハミルトンがピットイン、同じハードタイヤに交換、給油とフロントウイング調整を行ってピットアウトします。 ここでアロンソと3位に上がっていたライコネンの差が1.4秒まで縮まりました。 1位マッサとアロンソは4.8秒、ライコネンが5.8秒、ウェーバーが21.4秒、コバライネンが22.0秒、ブルツが24.1秒、クルサードが37.9 秒、クビサが38.7秒差で続きます。 アロンソとライコネン、ウェーバーとコバライネンとブルツ、クルサードとクビサが接近しています。 残り27周、周回遅れからようやく14位まで浮上してきたハミルトンがフィジケラに迫ります。 コーナーで並びかけますが、ここはフィジケラが抑えます、が次の高速コーナーでハミルトンがフィジケラをパス。 13位に上がります。 前日のクラッシュは まったく引きずっていないようで、度胸のある走りをしています。 残り26周、ライコネンがコーナーの立ち上がりでエンジンの回転が上がりません。 スローダウンです。 ライコネンとニュルブルクリンクはどうも合わないようで、またもリタイアとなりました。 ここに来てのリタイアは、チャンピオンシップにおいては大きな痛手です。 残り25周でハミルトンがピットイン、前回から10周でピットインですから、ちょっと今回のピットインもイレギュラーといえます。 今回のハミルトンは散々ですね。 トゥルーリもピットに入っていました。 ライコネン、スローダウンしつつも走行していましたが、ピットまで届かずリタイアです。 残り23周でアロンソがピットイン、マッサより給油の長かったアロンソが先に入りました。 7.7秒でピットアウト、同じハードタイヤに交換です。 今回はレインタイヤを履いたので、ドライタイヤは1種類で済みます。 残り22周でマッサもピットイン、同じハードタイヤを履いて8.5秒でピットアウトです。 ここでハミルトン、トゥルーリを難なくかわして順位を上げます。 残り20周、ハミルトンが今度はバリチェロの後ろに迫ります。 ブレーキの効きがまったく違うようで、ストレートエンドで難なくかわして10位に浮上です。 残り19周でウェーバーがピットイン、7.6秒でピットアウトです。 今回のレッドブルは、大混乱の中で良い位置をキープしています。 ここでの順位は、マッサ(3)、アロンソ(3)、クルサード(2)、ウェーバー(3)、ブルツ(3)、コバライネン(3)、クビサ(3)、ハイドフェルド (5)、フィジケラ(3)、ハミルトン(3)のトップテンに、バリチェロ(4)、デビッドソン(5)、トゥルーリ(5)と残り13台のサバイバルレースで す。 (注 (3)の数字はピットストップ回数です) 残り15周でマッサとアロンソの差は5.9秒、ここに来て若干差が少なくなりました。 そしてハミルトンを周回遅れにしていきます。 しかし、普通の周回遅れと違って、ぴったりマッサの後ろについての集会になっています。 コース上にホイールカバーが落ちています。 そこをマッサ、きわどいところでかわし、ハミルトンもなんとかかわしました。 風で動いているようなので、ピットからの指示が出来なかったのでしょう。 そのホイールカバーはフィジケラのマシンから落ちたようです。 そしてマッサとアロンソの差が5秒以下まで縮まってきました。 残り13周、毎周0.4秒ほど遅いので、かなり微妙なタイム差となりそうです。 残り12周、天気予報で7分後に雨のようです。 ということは残り7周ほどで雨、最後のドラマとなりそうで、更にレース時間も2時間を越えそうな感じです。 残り11周、既にスタンドの一部ではレインコートを着だしています。 残り9周、雨がはっきり降り出しました。 路面が濡れるタイミングとタイヤ交換のタイミングが問題となりそうです。 この難しいコンディションの中で、アロンソがマッサの真後ろまで近づいてきました。 ピットではレインタイヤを準備、残り8周でクルサードが一番先にピットイン。 残り7周、マッサがピットイン、フィジケラ、アロンソも続いて入ります。 マッサが先にピットアウト、アロンソもウイング調整してピットアウト、フィジケラの直前、きわどいタイミングでピットアウトします。 マッサがウイングを調整したのか、映像では見えなかったので気になるところです。 ウェーバー、ブルツもピットインです。 タイヤを換えて1周もしないうちに、マッサとアロンソの差は既に1.8秒。 完全にアロンソが速いペースで、コーナーごとに続けて並びかけます。 しかし、マッサはなんとかキープ、何処まで押さえ切れるのか。 難しいコンディションとはいえ、マッサとアロンソはスピードが違いすぎます。 ドライの状態からマッサのペースが落ちていたのは、何か軽いトラブルがあってドライビングしにくかったのでしょうか。 それとも、単純にタイヤ交換のとき順位をキープする為にウイングの調整をしなかった為でしょうか。 残り5周、ぎりぎりでマッサがアロンソを抑えています。 コーナーで軽く接触、マッサが引く形でアロンソがトップに立ちました。 残り1周、アロンソが独走状態、マッサと周回遅れのフィジケラはそれほど差が開かず、間にコバライネンが入りました。 マッサがアロンソに抜かれて以降、アロンソのペースがかなり速く、マッサとフィジケラがほとんど同じ、コバライネンがちょっと遅れているというラップタイ ムペースでした。 そしてハミルトンが1周2秒以上速いペースでフィジケラの真後ろに迫っています。 すぐにフィジケラをパス、しかし8位のコバライネンまでは少し距離があります。 そしてチェッカーフラッグ、アロンソ優勝、2位は8秒差でマッサ、そして3位にはウェーバーが、迫るブルツを振り切って表彰台獲得。 直前のコーナーでミスしたので、きわどい3位でした。 そしてハミルトンは9位でフィニッシュ。 表彰台の控え室でマッサがアロンソに文句を言っています。 レース直後、アロンソがマッサに接触のことで文句を言ったのが原因のようです。 あのコーナーで強引だったのはアロンソで、接触を回避したのはマッサの方なのですが、アロンソはちょっと熱くなっていたようですね。 インタビューではアロンソが謝っていました。 表彰台で、優勝チームへのプレゼンターは なんとミハエル・シューマッハーです。 ミハエルは相手がロン・デニスだけに、なんとも微妙な表情をしています。 それにしても出場チームのアドバイザーがプレゼンターってあり? そして、2時間を完全に越えたのに、なぜレースは終わらなかったの? さらに、ハミルトンのサンドトラップ脱出は良いの? という幾多の疑問と共に大波乱のレースは終了です。 これでチャンピオンシップはハミルトンとアロンソが2点差まで接近、マッサが11ポイント差、ライコネンが18ポイント差とマクラーレンの二人が抜け出し ました。 ハミルトンにとっては連続表彰台の記録が途切れ、アロンソにポイントで大接近されるという散々なレースとなりました。 対するアロンソはチャンピオンへ急接近で勢いづきました。 ハミルトンはこの流れを断ち切れるか、次戦が大きなポイントになりそうです。 次勝てればハミルトンにはチャンピオンの資格あり、負けるようだとアロンソの勢いを止められないという事なので、チャンピオンが遠くなってしまうかもしれ ません。 また、フェラーリの二人にとっても、これ以上ポイント差がつくと、マクラーレンの安定感に対して追いつくことが困難になるので重要なレースとなります。 ひょっとしたら、スパイ疑惑によるFIAマジックでマクラーレンとの接戦に設定されるかもしれませんが、実力で追いつくには、次戦あたりが限界でしょう。 今回の日本勢はいいところ無しでしたね。 雨に翻弄されたのはハミルトンと日本勢といえそうで、雨のバリチェロ(雨のフィジケラと同様に死語かも)が最高で11位。 完走13台中後3台が日本勢という無残な結果でした。 今回のように、コンディションが変わる状況では、去年のホンダのハンガリーGPのように当れば良いのですが、普通に対処したり、外れると落ち込みも大きいようです。 このあたりは、経験の差なのかもしれません。 経験者を集めたレッドブル以外の新しいチームは、ドライでは同レベル以下の歴史のあるチームに負けていましたからね。 結果 ポールポジション キミ・ライコネン 優勝 フェルナンド・アロンソ 2位 フェリペ・マッサ 3位 マーク・ウェーバー ファーステストラップ フェリペ・マッサ 第10戦レース結果 第11戦へ 第9戦へ ページトップへ |
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