2007年 F1 TV観戦記 レース総観
 
 
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最後まで熱い戦いが続いた、2007年のレース全体を振り返ってみましょう。


第1戦オーストラリア
まずはライコネンがポールtoウィン、ファーステストラップも2位アロンソより1秒以上速く、フェラーリの速さが目立ったレースでした。
同じくフェラーリで最後尾スタートのマッサが6位まで上がりました。
初戦でハミルトンはアロンソに続いて3位フィニッシュ、速さの片鱗を見せていました。
ハイドフェルドもマクラーレンからそれほど遅れていなかったことからも、BMWの速さを感じ取れましたね。


第2戦マレーシア
ポールはマッサが取ったものの、レースはアロンソが勝利。
2位もハミルトンが入り、マクラーレンのワンツーフィニッシュでした。
スタートで遅れたライコネンは3位を死守、しかし、マッサは自滅でハイドフェルドにも抜かれ5位フィニッシュ。
マッサは序盤のトラブルとミスの為に、チャンピオン獲得の可能性が減ってしまったことが はっきり分かる序盤戦と言えます。
BMWのクビサは、序盤戦はハイドフェルドにまったく付いていけなかったことが分かります。
それ故に、後半戦での成長が目だったとも言えそうですね。
スーパーアグリの琢磨がホンダの真後ろ、13位(ファーステストラップも)フィニッシュで、ポイント獲得の可能性が見えたレースでもありました。


第3戦バーレーン
ここで前戦散々だったマッサが意地を見せ、ポールからファーステストラップまで記録してのパーフェクトウィン。
2位はハミルトンが入りアロンソを始めて凌駕、レース運びも見事で、非凡さを見せ付けたレースとなりました。
ライコネンは序盤アロンソに抑えられた為か3位止まり。
アロンソに至っては5位とハイドフェルドにも抜かれていました。
この頃はマクラーレンのスタートの良さが目立ち、トラクションコントロール(ランチコントロール?)の使い方が上手かったことが分かります。
それ故にタイヤに厳しかったのかもしれませんが・・・


第4戦スペイン
トゥルーリのストールで1周減算、65周で行なわれたスペインGPでは、マッサが優勝。
再びパーフェクトウィンで、去年から使っているBSタイヤに対する慣れの早さの為か、ライコネンより速さが目立っていました。
2位はハミルトン3位はアロンソで、ここでもハミルトンが勝ちました。
そして、チャンピオン争いでもトップに立ちます。
ライコネンはマシントラブルでリタイア、4位にはクビサが入りBMWの連続4位獲得を死守?
そして、スーパーアグリがグランプリ初ポイントを獲得。
ホンダの2台を抑えてのポイント獲得で、去年型のホンダのマシンの素性の良さと、今年のホンダのマシンの悪さが確認できたレースだったと言えそうです。


第5戦モナコ
伝統のモナコはアロンソが貫禄のパーフェクトウィン。
2位もハミルトンで、マクラーレンの速さが目立つレースとなりました。
3位にはマッサが入るも、トップから1分以上の遅れと、大きな差がつきました。
予選のトラブルで16位スタートのライコネンは8位で、ギリギリでポイント獲得。
抜けないサーキットでは、さすがのライコネンも挽回は無理だったようです。
4位はフィジケラで、何と周回遅れ。
続いて5位のクビサは、ようやくハイドフェルド(6位)を上回りました。
マクラーレンの速さは、低め(のはず)のタイヤの空気圧の為か、トラクションコントロールの優秀さ故か、いずれにしてもフェラーリとのタイム差にはびっくりでした。


第6戦カナダ
初ポールのハミルトンがそのまま初優勝。
終盤ソフトタイヤでペースが上がらず、最終的にはハイドフェルドに4秒差の僅差でした。
2位にはハイドフェルドと、3位には何とブルツ、4回もセーフティーカーが入る波乱のレースでした。
4位のコバライネンを挟んで、序盤に同僚のマッサと接触したライコネンが5位。
アロンソはペナルティーで下がってしまった上に、ソフトタイヤでタイムが伸びずに7位フィニッシュ。
6位はアロンソをコース上で抜いて琢磨が入りました。
波乱のレースとはいえ、奇跡的とも言えるスーパーアグリの走りには感動です。
タイヤの種類によってタイム差が明確に出た、新しいレギュレーションの面白さが特に目立ったレースとなりました。


第7戦アメリカ
ここでも優勝はハミルトン、チャンピオンシップでも独走状態を作り上げました。
2位アロンソ、3位マッサ、4位ライコネンとトップの4台が予選とまったく同じ決勝結果となりました。
5位にコバライネンが入り、不調のフィジケラより目立つ結果を残し始めました。
6位にトゥルーリが入り、ようやくトヨタが調子を上げてきたようでした。
このあたりからワンストップ作戦やスタートでのハードタイヤ使用など、戦略面での工夫・奇策が取られるようになりました。


第8戦フランス
ヨーロッパに戻ってライコネンが優勝、マッサが2位とフェラーリの巻き返しが始まりました。
3位ハミルトンは8戦連続で表彰台獲得、驚異的なルーキーイヤーです。
トラブルで予選10位のアロンソは7位まで上がるのが精一杯。
4位クビサ、5位ハイドフェルド、6位フィジケラのBMWとルノーがかなり速かったので、抜けませんでした。
8位にバトンが入って、ホンダが今季初のポイント獲得。
この頃から、アロンソの走りに安定感が無く、マクラーレンとの関係もギクシャクし始めていました。
新人ハミルトンがチャンピオンシップで独走状態だったので、アロンソは必死さと焦りが悪循環となっていたのかもしれません。


第9戦イギリス
ライコネンが連勝するも、マッサはクビサの後の5位でした。
2位はアロンソで、3位は地元でポールを獲得したハミルトン。
地元でのデビューイヤーの勝利はならなかったものの9戦連続表彰台獲得、しかしアロンソとのタイム差が結構ありました。
6位のハイドフェルドまでが同一周回、周回遅れのルノーはすでに開発を来年にシフトしはじめた時期かもしれません。


第10戦ヨーロッパ
雨から断続的に降る波乱のレースで、ポールのライコネンはマシントラブルでリタイア、代わってアロンソが久しぶりの優勝でした。
2位はマッサ、アロンソとのタイム差は8秒と、コンディションに対する対応で遅れた感じもありました。
3位ウェーバーで、10位スタートのハミルトンは9位フィニッシュ、連続表彰台記録が途切れました。
砂場にハマって、オフィシャルの車両にコースに運んでもらってのコース復帰という奇妙な光景もありましたね。
4位はブルツ、波乱のレースで上位に来るのはベテランの妙でしょうか。
5位はクルサードで、レッドブルはBMWを2台とも抑えました。
レッドブルの速さは雨の為でしょうか、本物でしょうか。


第11戦ハンガリー
マクラーレンのスパイ事件の裁定がひとまず収束し、ハミルトンが優勝でチャンピオンシップでも優位が続きます。
2位がライコネンで、3位には今年初のハイドフェルドが入りました。
アロンソは4位で、マッサは予選でのチームのミスが響いた上にペースが上がらずに13位フィニッシュ。
ファーステストラップでも11位ですから、セッティングミスがあったのかもしれません。
いずれにしても、今年のフェラーリはトラブル以上にチームのミスが目立ちます。
5位クビサでBMWは安定してチーム3位をキープ、6位ラルフは久しぶりの上位フィニッシュ。
そしてホンダのバリチェロはスパイカーに負けるという大失態、信じられない成績でした。


第12戦トルコ
ここでは久しぶりにマッサがポールtoウィン、しかし2位のライコネンとしてはチャンピオンシップの為にも優勝が欲しかったでしょう。
3位はアロンソで、ハミルトンが5位。
チャンピオンシップでは四人の差が縮まりましたが、ハミルトン独走でアロンソが追走、ライコネンがかなり離されて、マッサはほとんど無理という状況です。
4位はハイドフェルドで、6位のコバライネンは同僚のフィジケラを完全に上回っています。
ロズベルグが7位と、このあたりからコンスタントに速さを見せてくれるようになりました。


第13戦イタリア
敵地でアロンソがパーフェクトウィン。
2位はハミルトンと、マクラーレンのワンツーフィニッシュ、スパイ事件が再燃し、意地すら感じる結果でした。
3位はライコネンが確保、しかしマッサはリタイアで、チャンピオンシップから脱落しました。
4位ハイドフェルド、5位クビサで、BMWは定位置を確保。
6位は調子を上げて来たロズベルグが滑り込み、バトンが8位でホンダがようやく2度目のポイントでした。


第14戦ベルギー
直前にスパイ事件でマクラーレンがコンストラクターズチャンピオンシップから除外の裁定。
そして決勝はライコネンが優勝、マッサが2位に入り、フェラーリがコンストラクターズタイトルを獲得。
3位にアロンソ、4位にハミルトンが入り、ハミルトンとアロンソのポイント差は2、そしてライコネンとの差は13。
このままマクラーレンドライバーがチャンピオンを取ると、失格チームからドライバーズチャンピオンが誕生するところでした。
5位はハイドフェルドと安定した好成績で、6位ロズベルグは連続で光る速さを見せてくれました。
7位はウェーバーで、レッドブルも終盤に来て速さを見せてきていましたね。


第15戦日本
新装された富士での初レースはかなりひどい雨で、大波乱のレースでした。
その混乱の中でハミルトンが優勝。
2位にはコンディションに上手く対応したコバライネンが入り、スタートのタイヤをミスしたフェラーリのライコネンは3位が精一杯でした。
マッサも6位止まりで、エクストリームウェットを履かなかったフェラーリはレース中のタイヤ交換を余儀なくされ、チャンピオンシップでも遅れを取る結果となりました。
4位はクルサード、この人は時々速いときがあるので予測しにくいのです。
5位はフィジケラ、雨のおかげか 久しぶりに上位フィニッシュでした。
8位はスーティルが入り、スパイカーが初ポイント獲得。
ハミルトンはアロンソに12ポイント、ライコネンに17ポイントの大差をつけましたから、常識ではハミルトンの絶対優位が確保されたレースだったと言えます。


第16戦中国
小雨でスタートしたレースはライコネンが優勝。
アロンソが2位、マッサが3位で、ハミルトンはタイヤバーストに加えて、ピットロード脇の砂利にハマってリタイアという信じられない形でのリタイアでした。
タイヤはバースト前にトレッドが痛んでいる状態が映像でも見えていただけに、チームのピット作戦の対応が不可解でした。
4位にはベッテルが入り、同僚のリウッツィも6位でトロロッソがスーパーアグリの獲得ポイントを上回りました。
5位はバトン、今期最高位でスーパーアグリの獲得ポイントを上回りましたが、トロロッソには届かず。
ハイドフェルドは7位とトロロッソにも負けましたから、今年のBMWは雨のコンディションが唯一の弱点といえましたね。
ハミルトンはアロンソに4ポイント、ライコネンに7ポイントの差を残して、運命の最終戦に挑みました。


第17戦ブラジル
チャンピオンシップを妨害無しに争う為にマクラーレンにFIAのの監視付きという異常な事態でのレースとなりました。
序盤のミスに加え、不可解なスローダウンでハミルトンは7位でフィニッシュ。
アロンソはFIAの監視でセッティングが進まなかったのか、ペースが上がらず3位フィニッシュ。
地元のマッサは大事なポイントでの小さなミスの影響外大きく?、2位でフィニッシュでした。
そしてライコネンが今期6勝目、奇跡的な大逆転でドライバーズチャンピオン獲得。
失格チームからのチャンピオン誕生を阻止しました。
4位は今季最高位となるロズベルグが入り、5位のクビサと6位のハイドフェルドのBMW勢を見事に抑えました。
初戦の中嶋は10位フィニッシュ、ピットでは事故を起こすも、ファーステストラップではアロンソやロズベルグより速い5位と光るところを見せてくれました。



今年のチャンピオンシップ最大のポイントは、良くも悪くもマクラーレンに尽きます。
ハミルトンの驚異的な活躍から、スパイ事件でのコンストラクターズポイント剥奪、さらにアロンソとチームの確執(ドライバー同士ではなくチームというのがポイント)と、1年を通じて話題を提供してくれました。

ダブルタイトルを獲得したフェラーリは、マシンの速さは確実にトップといえましたが、マシントラブルに加えて戦略ミスや作業ミスという、トップチームらしからぬ失態が目に付きました。
それでも、大事な終盤戦で速さと信頼性を見せ、ライコネンの奇跡的な逆転劇を演出。
さすがに見せ場を知っていますね?

タイヤではソフトタイヤとハードタイヤの2種類を使用することで、戦略やレース展開に巾が出ました。
ソフトタイヤでリードしていてもハードタイヤで差を詰められたり、レースの展開にドラマが生まれ、良いレギュレーションの変更だったといえそうです。

来季はトラクションコントロールの禁止で、ドライバーに今年までとは異なる技量が求められます。
マシンも同様に、機械的な(サスペンションなどでの)トラクションが大切になります。
この変化に一番対応できるドライバーとチームの組み合わせはどうなるのか、楽しみですね。



2007年結果
ドライバーズタイトル  キミ・ライコネン
コンストラクターズタイトル  フェラーリ


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